G.A.D.H.A.個別セッション

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注意

現在GADHAは、コミュニティとしての学びを非常に重視しています。GADHAは「知識を持った仲間」が変容に必須だと考えているからです。

そのため、個別セッションよりも、似た境遇のほかの人と共に学び変容を目指すプログラム(有償ですが時間単価はトレーニングより遥かに低い)、オンラインコミュニティへの参加(無償、月の相談と回答数は200を超えます)を強く推奨しています。ぜひそちらをご覧ください。

トレーニングではなく「個別セッション」と名前を変えてサービス提供はしていますが、「プログラム」「オンラインコミュニティ」にリソースを最大限活用するように方針を転換していますのでご承知おきください。

本記事の目的

本記事は、GADHAが提供する個別セッションに関心のある方に、

  • GADHAにおける位置付け
  • 個別セッションのゴール
  • 個別セッションの構成
  • 個別セッションの費用

など、個別セッションを受けるかどうかを検討するために必要な情報を提供します。

位置付け 

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G.A.D.H.A.は、加害者の変容のために3つのことを提供しています。(こちらは情報が古くなっています! 実際にはトレーニングから「プログラム」に変更しています)

当事者コミュニティでは、オンラインツールであるSlackによる交流や、オンラインでの当事者会を行っています。

同じ境遇の人が「加害者としての自覚」を持ち、変わっていき、愛のある関係を築けるようになる過程を見ることほど勇気づけられ、学びになることはないからです。

学びの動機を持つことで初めて理論を学ぶことができます。私は「人は変われる」と信じています。100冊を超える参考文献を整理・再構成した加害者が変容するための理論を提供します

しかし、それだけで人は簡単に変われません。実際の具体的なコミュニケーションの中で、その形式的な知識がうまく使えず、再び傷つけてしまう人も少なくありません。

そんな、当事者会では時間の関係で難しい、実際の加害行為を徹底的に振り返り学びに変え、再発を防止するのがトレーニングセッションです。

トレーニングのゴール

とはいえ、加害行動をするたびにトレーニングをしていては、改善できていないわけですし、費用もかさんでしまいます。

なので、トレーニングのゴールは以下の2つを掲げています。 

  1. つまずきを自分たちで解消できるようになること
  2. つまずきが生じたとき、その場・リアルタイムで解消できるようになること

どちらも非常に重要なことです。最初は外部の協力や支援を持って取り組み、徐々に自分たちでできるようになることで、関係の信頼が構築されます。

最初はその場でできなくとも、徐々に「時間を置かずに」解消できるようになることで「帰りたくない家」にならなくなります。

僕自身、つまずきが起きると数日間ひたすら部屋にこもって酒を飲み続け、一切口を聞かないような関わりをしていました。

そんな家には妻も帰りたくないですから、帰ってくるのが遅くなり、お互い顔も合わせないようになり…。

今では、緊張や意地を張った感じを自分で感じるとすぐに「今のは言い方が間違ってたかもしれない、どういうふうに感じたか教えてもらえませんか」と相談できるようになりました。

あの緊迫した嫌な空気が無くなり、妻との関係がどれほど安心できるものになったか筆舌に尽くし難いものがあります。

何より嬉しいのは、妻にとってもそういう関係になれたことをとても喜んでもらえることです。「前よりずっと安心していられる」と言ってもらえる関係は人間の幸福です。 

トレーニングの構成

上記を達成するために、トレーニングの構成は以下のようになっています。

  1. 状況の共有
  2. ケーススタディ
  3. 関連する理論の紹介 

特に初回における状況の共有では、パートナーとの関係や、ご自分を説明するキーワード(ASD、モラハラ、依存症ほか)の聞き取り、GADHAに辿り着くまでの経緯などを伺います。

ケーススタディは、トレーニングのメインです。自分とパートナーから見えている事実→解釈→感情→ニーズを言語化・可視化します。

発話や行動といった「事実」に対して、いかに加害的な考え方が背景にあるのか、その裏にある「ニーズ/本当に伝えたいこと」がなんなのかをときほぐしていきます。 

実際に起きた加害行為をタイムラインに沿って整理することで、後節で述べるように「責任を引き受ける」ことができるようにします。

ケーススタディの最後にはロールプレイを行います。もう一度同じシチュエーションの会話を行い、どの発話をどう変えられるかを検討します。 

ケーススタディの方法自体は平易なものです。最初はトレーナーがガイドしますが、繰り返し参加される場合は、徐々にご自身でできるように支援します。

最後に、ケースによって異なる「いま知るべき理論」を紹介します。GADHAのものもあれば、参考文献や外部プログラムの紹介もありえます。 

トレーニングの申し込み方法

申し込みは、サイトの問い合わせフォームLineから可能です。

費用は1回60分5万円(税別)となります。

隔週や月に1回といった定期的なスケジューリングが一般的です。つまずきが生じた時に行う方法もありますが、緊張した空気の中でトレーニングのことを提案したり日程調整するのは負担も大きいです。 

注意事項

可能であればパートナーの方に同席いただくことで、トレーニングの効果を高めることができます。相手の解釈や感情を「想像」しないで確認できるからです。

ただし、決して参加を強要したり、参加しない場合に「罰」を与えようとすることはしてはいけません。

「誘ったのに来ないんだからおれが変われないのは仕方ない」

「どうしてきてくれないんだ」と不機嫌で攻撃する

こういう人間は、本当に加害的です。被害体験を振り返ることは苦痛を伴うことであり、信頼がない場合は更なる被害に発展する可能性が大いにあります。

そのようなリスクやコストを相手に「当然のように」とってもらえると思うことがモラハラ・DV加害者の思考回路です。加害はあなたの問題であり、あなたの責任で解決するものです。

参加してもらえることは決して当たり前のことではなく、お願いし、来てもらえたら感謝する類のことです。断られて不機嫌になるなど、言語道断です。

私自身、一時期自分がパーソナリティ障害の本を読み学んでいる中で、とんでもない過ちを犯したことがあります。

妻にもおすすめの本を読んでもらうように言ったのに、全然読んでもらえないことに激昂し、

「おれはこんなに変わろうと頑張ってるのにお前はなんなんだよ!!!」 と怒鳴りながら本を全部ゴミ箱に捨てたことがありました。

冗談でもなんでもなく、本当の話です。恐ろしく恥ずかしいエピソードですが、加害者の身勝手さがよくわかると思います。

あなたにはそのような加害をしてほしくありません。更なる被害が生まれることは避けるべきことです。トレーニングへの参加の強要は絶対にしないでください。 

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終わりに

G.A.D.H.A(Gathering Against Doing Harm Again:ガドハ)は、大切にしたいはずのパートナーや仲間を傷つけたり、苦しめたりしてしまう「悪意のない加害者」が、人との関わりを学習するためのコミュニティサービスです。

当事者コミュニティとイベントの運営加害者変容理論の発信トレーニングなどを行い、大切な人のために変わりたいと願う「悪意のない加害者」に変容のきっかけを提供し、ケアのある社会の実現を目的としています。

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