本記事の目的
本記事は、GADHAが提供する加害者変容理論ならびにそのエッセンスとなる10のステップ、更に加害者変容プログラムに関心のある方に、
- GADHAにおける位置付け
- 加害者変容理論とは何か
- 10のステップ
- 加害者変容プログラム
の概要を提供します。
位置付け
G.A.D.H.A.は、加害者の変容のために3つのことを提供しています。
当事者コミュニティでは、オンラインツールであるSlackによる交流や、オンラインでの当事者会を行っています。
同じ境遇の人が「加害者としての自覚」を持ち、変わっていき、愛のある関係を築けるようになる過程を見ることほど勇気づけられ、学びになることはないからです。
次に、学びの動機を持つことで初めて理論を学ぶことができます。私は「人は変われる」と信じています。100冊を超える参考文献を整理・再構成した加害者が変容するための理論を提供します。
加害者変容理論とは何か
「悪意のない加害者」は、さまざまな要因によって「加害的な考え方」を身につけています。それは何十年もの人生の中で身につけてきたもので、変容は簡単ではありません。
しかし、自分の考え方を反省的に見直し、新しい考え方を学ぶことで、少しでも変わっていくことができます。
G.A.D.H.A.の理論は、大きく「原論」「実践論」に分かれています。
原論は抽象度が高くややわかりづらいですが、実践の前提になる重要な理論について取り扱います。例えば、存在・他者・関係・解釈・幸福といった概念を取り扱います。
実践論は、より具体的で普段の生活に応用が容易なものです。例えば「配慮するコミュニケーションとはどのようなものなのか」「それはどのように身につけることができるのか」といったことを検討しています。
理論が最終的に目指すのは「大切な人を大切にするとはどのようなことか」を明らかにし、その方法を示すこと(実践論の範囲)です。
しかし、わたしのように(ASDゆえか)理屈っぽいタイプには、実践・ハウツーに留まらず原理的な理論(原論の範囲)が有効であるため、こちらも積極的に発信します。
より詳細な理論全体はこちらから(作成中)。
10のステップ
理論全体は大変な量になるため、最も重要なものに絞り込んだエッセンスを提供しています。
α.はじめに
1.幸せになるはずだった、悪意なく正しい孤独なあなたへ
A.幸福/不幸な関係とは
B.幸福/不幸な関係を作る言動
4.聞かれない声 なぜ終わりは突然やってくるのか(作成中)
5.つまずきを肯定すること ふたりでする共同解釈(作成中)
C.幸福/不幸な関係を作る言動を支える考え方
6.べき論と上下関係から生まれる 正しさという暴力(作成中)
7.できる範囲で大切にする 別れもあり得る対等なふたりだから(作成中)
D.幸福/不幸な関係を作る言動を支える考え方はどう身につき、変わるのか
8.存在の不安 空虚な自己を満たすために、加害は繰り返される(作成中)
9.人は変わることができる 人の弱さと生きていく(作成中)
ω.おわりに
ただし、教科書を読んだだけでテストが解けないように、素振りの型を知るだけで試合に勝てないように、あくまで「形式的な知識」であることを理解しましょう。
実際にパートナーとのコミュニケーションにつまずきが生じたら、GADHAオンラインコミュニティで相談したり、トレーニングセッションで具体的解決を模索したり、加害者変容プログラムに参加しホームワーク・レクチャー・ケーススタディで学習しましょう。
加害者変容プログラム
GADHAは現在、有償の加害者変容プログラムをオンライン(ZOOM)で開催しています。
プログラムは全12回で構成されます。4回1セットで初級-中級-上級と3つのレベルに分け、それぞれの級を受講済みの方だけが次の級に参加可能になります。
4回セットで区切ることで途中からの参加を容易にし、またプログラムの価値を感じられない場合も、その金銭的負担が小さくなるように設計しています。
最終的には、全ての級のプログラムが並行して常に開催されるようにし、最短3ヶ月で全ての内容を学習できるようにします。
1回2時間の具体的な内訳は上記画像の通りです。単にレクチャーをするだけではなく、ホームワークとケーススタディを通して主体的な学習と対話の場を目指します。
プログラムの詳細はこちらからご覧ください。
外部の権威ある機関
加害者が自分の変化の必要性を認めることも、実際に変化することも、とても大変なことです。
しかし、そういう人の変化を支援し、最終的には被害者を支援することを目的とした組織やサービスは存在します。
ぜひ、頼ってみてください。また、ここに紹介されるべき組織やサービスをご存知の方はぜひご連絡ください。
こちらの記事に詳細がわかりやすく記載されていますので、ぜひご覧ください。
「暴力をやめたいと思っている方々を応援します」を中心的なメッセージとして持つ場です。DV教育プログラム-男性編-を準備していらっしゃいます。
アウェアはDV(Domestic Violence)をなくすことでジェンダー平等社会をめざす市民活動団体です。加害者プログラムはこちら。
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終わりに
G.A.D.H.A(Gathering Against Doing Harm Again:ガドハ)は、大切にしたいはずのパートナーや仲間を傷つけたり、苦しめたりしてしまう「悪意のない加害者」が、人との関わりを学習するためのコミュニティサービスです。
当事者コミュニティとイベントの運営、加害者変容理論の発信、トレーニングなどを行い、大切な人のために変わりたいと願う「悪意のない加害者」に変容のきっかけを提供し、ケアのある社会の実現を目的としています。
当事者コミュニティやトレーニングに関するお問い合わせはこちらから。