※注意
本記事タイトルに「連れ去り被害」という言葉を使っていますが、GADHAの理念とは異なるものです。あくまで近い境遇にいる方、特に自分の加害に無自覚な方が、その加害に気づき自己変容の可能性に目を向けることを企図し、あえて用いています。本文中においても同様です。
「連れ去り被害」の大部分は、対話に必要な根本的な(話し合うことができるという)信頼を加害者が破壊していることが原因であるとGADHAは考えます。詳細はこちらの「モラハラ夫の配偶者が、突然家を出ていく本当の理由」をご覧ください。
基本情報
主催:G.A.D.H.A(活動方針はこちら)
日時:9月9日 20:00-22:00
場所:無料ツール Zoom
費用:無料
参加条件
本イベントは、「自分の加害行為によりパートナーとの関係が崩れそうな方」「変わりたいと願う加害者」が集まるGADHAオンラインコミュニティ参加者のみ参加可能です。
参加を希望される方でコミュニティに入っていない方は、ぜひこちらよりコミュニティ参加希望をお教えください。今回は当事者以外の見学はできかねます。
今回の特徴
通常と異なり、今回は会の前半に@にさごさんへのインタビューを行います。
にさごさんはいわゆる「連れ去り被害」を経験。別居当初は
- 話し合えと元妻の実家に押し掛け
- 子どもに会わせろと執拗に電話
- 連帯債務の住宅ローン支払えと督促
- 「謝らせてほしい」と再度実家を訪問
など、いわゆる「連れ去り被害者」としてパートナーの方に加害的な振る舞いが続いていました。一時はパートナーの方を訴えるというところまで…。(その時はGADHA史上、悩み相談スレッドが最も活発になりました。笑)
しかし、徐々に反省と学びが深まっていき、その結果、心身の健康を崩すほどの苦しみ・葛藤を経験しながら別居期間での変容を進めます。
調停の結果は、離婚。しかし、にさごさんの変容は調停期間にも関わらずパートナーの方にも明確に伝わり、面会条件などは当初提案から大幅に緩和。お互いの家に行き来し、家族全員で遊ぶこともできる関係を続けています。
本会ではにさごさんに
- どんな加害をしていたのか
- 連れ去りから離婚、現在までの流れ
- その間の感情の変遷
- 結局、にさごさんのどこが変わったのか
- なんで変われたのか
- これからの人生について
- 同じ境遇の人に伝えたいこと
などをお伺いしていきます。参加者の方からのリアルタイムでの質問と回答も行いますので、ぜひご関心のある方はご参加ください。
なぜGADHAがにさごさんの話を伺うのか
実はにさごさんは、GADHAの最も初期に参加されたメンバーの1人です。自分にとって不都合な現実が起きた時に、自分の加害性に気づき、認め、変わることは本当に大変なことです。「連れ去り被害」「拉致」などと相手を責めている方がずっと楽です。でも、そうではない関わりを一緒に考えてこられました。
変容のあまりのしんどさに、しばらくGADHAの活動から離れていた時期もあります。それほど変容が苦しいにも関わらず、こうして「GADHAで学んだおかげ」と言ってくださることに感謝します。
当たり前のことですが、この関係に回復されていった背景には、にさごさんの死に物狂いの変容への努力があります。
僕は、人は変われると信じています。どんな人でも、何歳からでも、変われます。でもそれは「知識」と「仲間」なしでは成し遂げられない、大変なことです。でも、この2つがあれば変われます。
加害者であることを自覚し、学び、変容すれば、被害者の方だけではなく、何よりあなた自身が幸福に近づきます。幸福とは「愛と配慮のある関係を持つこと」です。加害者も、責任を果たすことを通して、果たすからこそ、幸福に近づけます(GADHAが考える加害者の責任はこちら)。
GADHAはそれを多くの「無自覚な加害者」に知って欲しいし、共に学び変わることでそれを実感して欲しいと心から思っています。
そのため、今回は通常と異なり、当事者会の前半をにさごさんへのインタビューとし、後半を通常の当事者会とすることにしました。
参加を希望される方でコミュニティに入っていない方は、ぜひこちらよりコミュニティ参加希望をお教えください。今回は当事者以外の見学はできかねます。
当事者会とは何か
GADHAは「大切な人を、もう傷つけたくない」と思う全ての人が、共に学び変わるためのコミュニティです。特に準備など要らずに気軽に参加できるものから、毎週ホームワークを行う集中的な加害者変容プログラムまで様々な活動を行っています。
当事者会は「加害経験の共有」「変容の苦しみの共有」「変容の報告」などを行う場です。
- トラブル予防・記録・研究・透明性確保のため録画しますが一般公開はしません
- 話したくない時は「パス」することもできます
- プライバシーのため顔出し不要、仮名を強く推奨します
- 他の人が話したエピソードは発信不可、ただし会の感想はokです
この場は加害者として責任を引き受けることを前提とした場です。
「どっちもどっち」「相手の言い方も悪い」など
加害者の責任を減ずる場を志向していません。
そのような発話があった場合は指摘させていただきます。
加害者が責任を引き受けるということの意味は、こちらからご覧ください。
加害を引き受けることは、逃げ出したくなるほどの大きな苦痛と葛藤を伴います。その苦しみを共に背負う当事者が集まり、変わろうとする場を目指しています。
あなたは一人ではありません。
いまは完全にできなくとも、責任を引き受けたいと考えている方の参加は歓迎します。
参加者の声
当事者会に参加した人から、多くの感想をいただいています。
「自分と同じような悩みを持っている人と初めて会えた。自分だけじゃないんだということと、変われるかもしれないという可能性を感じられた」
「自分の加害行為については、話す機会が本当にない。それを共有すると共感を持って受け止めてもらえて、同時に傷の舐め合いにならずに改善に向かおうとする雰囲気が良かった」
「正直自分のやっていることが加害なのか、自分も被害者だという感覚が拭えないまま参加したけれど、自分の加害者としての要素と向き合う覚悟ができた、辛いけれど、頑張りたい」
見学者の声
被害者として、加害者の気持ちが分かりたくて参加しました。「モラハラは変わらない」と思っていましたが、変わろうとしている人がいることを知り、驚きました。パートナーが参加してくれたら何か変化があるかも…参加してくれないと思いますが。
自分の罪と向き合っている人たちがいることを知り、思わず参加しました。夫との関係に希望があるかもしれないと思えてよかったです。
開催の背景
DVやモラハラ、カサンドラについて、被害者の当事者会は多く存在しています。当然、被害者の支援が最重要であることについて、議論の余地はありません。
一方で、G.A.D.H.A.主催者である@えいなかが、自分の加害性を自覚したとき、同じ境遇の人と繋がり、共に学び、変わろうとできるコミュニティは中々見つかりませんでした。
「一体、どこからが加害なのか?」
「何度も傷つけ、泣かせることを繰り返してしまう…」
「もう無理と言われても、じゃあどうしたらいいんだ?」
「どのサイトも加害者は変われないと書いてある」
「学ぶための本などはないのか?」
パートナーを加害する自分から、愛し、ケアし、配慮する自分に変わるための学習資源が蓄積されたネットワーク、ピアグループを見つけられなかったのです。
この会は、「加害者」を自覚する人たちが、自身の加害を認め、それを共有し、自分の誤りを認めるだけではなく、「では、どうすれば良いのか」を同じ境遇にいる加害者が、共に考える場です。
イベントの連絡や最新情報、当事者Slackコミュニティなどに参加希望の方はこちら。
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